卒業式がとりおこなわれました

平成30年3月14日,徳島市内の徳島県水産会館において,とくしま漁業アカデミー第1期生の卒業式が行われました。
全員が事故もなく無事研修を終え,インターンシップ先の漁協で,「見習い」ながらも漁業就業できることになり,一安心です。お世話になった関係者の皆様方,本当にありがとうございました。


開会の前に,「第1期生のあゆみ」と題した,スライド動画の上映が行われました。

飯泉嘉門理事長からの卒業証書授与。
ついで,飯泉理事長からの式辞,その後,ご来賓を代表して,徳島県議会議長 重清佳之 様,徳島県漁業協同組合連合会代表理事会長 久米順二 様より,ご祝辞をいただきました。

卒業生代表のあいさつで,式は締めくくられました。

記念撮影

インターンシップ中の様子

研修生は,10月(人によっては9月)から長期のインターンシップに入っています。インターンシップ開始直後は,余裕もなく必死だったのすが,最近になって少々手慣れてきたようで,何枚か写真を送付してきてくれました。

鳴門市の北灘漁協で「わかめ養殖」のインターンシップ中の研修生。今シーズンはわかめの出来が良いらしいです。北灘では,わかめ養殖のロープを漁場から船で港まで運び,そこでわかめをロープから切り離すかたちで収穫します。

海部郡美波町の日和佐町漁協で「イセエビ刺網」のインターンシップ中の研修生。イセエビ刺網は,夕方に網を仕掛け,早朝に取り込みます。そして,昼の間は,次の出漁に備えて,網のメンテナンスを行います。

海部郡牟岐町の牟岐町漁協で「赤物延縄」のインターンシップ中の研修生。未明に出港し,お昼頃に帰港する操業形態です。この時期はキダイ(レンコダイ)などが主な漁獲物です。

徳島県議会水産振興議員連盟との意見交換会が行われました

平成29年11月7日,アカデミー研修生と徳島県議会水産振興議員連盟との意見交換会が行われました。概要についてはこちら(徳島県議会のHP)をご覧ください。

第2回 とくしま漁業アカデミー運営会議 が開催されました【第1期研修生のインターンシップ先が決定しました】

平成29年9月27日に,第2回とくしま漁業アカデミー運営会議が開催されました。

会議では,
  • 今年度前半のアカデミーの活動実績と後半の活動予定
  • 平成30年度研修生募集の概要(→詳細はこちら
の説明及び質疑応答のほか,今回は研修生7名全員も出席し,今までの研修の感想,インターンシップ予定先,今後の意気込みをそれぞれ発表していただきました。
 
久米委員(徳島県漁業協同組合連合会会長)からは
  • 今までの半年は「助走期間」であり,これからが漁業就業に向けての本番である。
  • これからのインターンシップでしっかり勉強し,何年か先には,浜で信頼され,たくさん儲ける,優れた漁業者となり,「漁業は決して悪い職業ではなく,魅力的でとても良い職業なんだ」ということの広告塔になっていただきたい。
  • 安全第一で事故のないように。
との叱咤激励のお言葉をいただきました。
 

【第1期研修生のインターンシップ先】
第1期研修生7名のインターンシップ先が,本人の希望に基づき,以下のように決定しました。
  • 宍喰漁協(イセエビ刺網など):1名
  • 牟岐町漁協(赤物延縄など):1名
  • 日和佐町漁協(イセエビ刺網など):1名
  • 椿泊漁協(小型底びき網):2名
  • 北灘漁協(わかめ養殖):2名

「エンジンの仕組みとメンテナンスの研修」および「無線機・GPS・魚群探知機等の仕組みと使用方法の研修」

 「エンジン」や「無線機等」の仕組みと使い方・点検方法を習得することは,「安全な操業」や「効率的な操業」に欠かせません。これらは,今後のインターンシップの期間中にも学んでいくと思われますが,その前に,基礎的な部分をあらかじめ学んでおくべき,という考えで研修を実施しました。

エンジンについては阿波ヤンマー株式会社さんのご協力の下,9月21日に研修を実施しました。研修生にとって,このように陸にあげられた実機を見るのは初めてであり,その構造を理解するのに大いに役立ちました。

無線機等の研修は,フルノ関西販売株式会社さんに御協力いただき,9月22日に実施しました。無線機,GPSプロッター,レーダー,魚群探知機,ソナーなどの実機をご用意いただき,デモ画面を用いながら,操作方法を学びました。こちらについても,これらの機器に一度に触れる機会は初めてで,興味深く学ぶことができました。

阿波ヤンマー株式会社,フルノ関西販売株式会社の皆様,ありがとうございました。

水産物の消費拡大について その6 漁業協同組合による消費拡大の取組【小松島漁協の事例】

 いろいろな主体が実施している「水産物の消費拡大」の取組。今回は「漁業協同組合が行っているもの」として,9月14日に,小松島漁業協同組合の事例を現地で学びました。
 小松島漁業協同組合では,漁業者はその漁獲物を,「漁業協同組合に出荷(漁協が出荷先を決定)」「漁業協同組合の運営する市場に出荷」「個人で他の市場等に出荷」の3パターンで出荷します。



「漁業協同組合の運営する市場に出荷」された魚介類

こちらが「小松島漁協魚市場」。もともとは,現在の「徳島市中央卸売市場」と同様に,小松島市や周辺の魚屋さんへ魚介類を提供する「消費地市場」の役割を担っていました。その頃は,地元の魚介類のほか,他県産の魚介類(マグロ,鮭など)もセリにかけられていました(他県産魚介類も船で運ばれてきていました)。しかし,交通網の発達により,「消費地市場」の役割の大部分は,「徳島市中央卸売市場」にとってかわられ,現在は地元の魚介類を中心にセリが行われています(現在でも地元産以外の魚介類が全くゼロというわけではありません)。

今では,仲買業者にセリ落とされた「地元産魚介類」を,その場で個人が仲買業者から購入できるシステムを取り入れいます。その結果「産直」の機能を有することとなり,「地産地消による水産物の消費拡大」を行っています。



「漁業協同組合に出荷(漁協が出荷先を決定)」された魚介類

これらは,漁協が出荷先(首都圏,関西,徳島など)を決定します。小松島漁協の場合,自ら活魚輸送車を保有し,消費地に出荷します。特に「ハモ」については,その消費拡大に力を入れており,活魚輸送車もハモをアピールしたものとなっています。なお,ハモは,「小松島市推奨の魚」にもなっています。

さらに,ハモの一部については,漁協で骨切,凍結などの加工をし,販売しています。写真の「ハモの骨切機」の導入により,可能となりました。

このように骨切りされたハモは,通信販売により全国各地で消費されるほか,地元の給食にも用いられ,「食育」の一端も担っています。水産物の消費拡大のためには「子供のころから魚に親しむ」ことが重要と言われています。



小松島漁協のホームページはこちらです。

「魚介類の鮮度保持技術と活け〆の科学」

 魚の価格は,漁獲後の「取り扱い」により,大きくかわります。「活魚」の場合は,「少しでも長く活きている」,「〆て」出荷する場合は,「死後硬直までの時間(この時の魚の状態を「活かっている(いかっている)」と呼ぶこともあります)を少しでも長くする」,などが求められています。漁業者も,そのようなニーズに合わせた「鮮度保持」の知識と技術を習得しておく必要があります。
 そんな観点から,9月8日に,水産研究課美波庁舎において,水産研究課の上田課長を講師に,「魚介類の鮮度保持技術と活け〆の科学」の研修を実施しました。

まずは,徳島の海や水産業の概略についてのレビュー,次いで「活け〆の方法」「その後の保管方法(保管温度など)」による身の質の変化の違い,先進地事例についての講義を受けました。

その後,最近各地で行われている「神経〆」の実習。例えば京都市場では,活魚で搬入されたハモについて,(活魚で流通させる以外のものは)セリにかける前に市場の職員さんが「神経〆」を行っているそうです。
実習に用いたのは「クロアナゴ」。まず氷により低温にした海水に投入。動きを鈍くさせます(この段階ではまだ生きています)。

次に,頭部と尾部に包丁を入れ血抜き。この段階で魚は絶命します。

最後に,細い針金を,脊椎骨に沿ってある「神経が通っている穴」に差し込み,神経をつぶします(これが「神経〆」)。針金が入ると,(死んでいるにもかかわらず)魚体がぐねぐねと動きます。この動きがなくなったらOK。「ぐねぐね」と動かない場合は,正しく「神経が通っている穴」に針金が入っていない,つまり「神経〆」ができていないことになります。

今度は,保管方法についての実験。〆た魚を,「大量の氷を入れたスチロール箱に投入」「直接魚体に氷が接しないように新聞紙等で包んだ氷を入れたスチロール箱に投入」の2種類の方法で保管してみました(写真は後者のものです)。前者の方が低温となっています。今回はこのまま3~4時間経過させました。


他の魚でも「神経〆」の練習をしました。頭を落とすことができない場合は,目と目の間付近に小さな穴をあけ,そこから針金を差し込みます。

 さて,先ほどの「クロアナゴ」ですが,「直接魚体に氷が接しないように新聞紙等で包んだ氷を入れたスチロール箱に投入」したものは,まだ「活かっている」状態でしたが,「大量の氷を入れたスチロール箱に投入」したものは,死後硬直が始まっていました。

 素人考えでは,「なるべく冷やした方が品質が良いだろう」と考えがちですが,「死後硬直までの時間を長くする」ためには,冷やしすぎは良くないという結果になりました。

(これは,あくまで「死後硬直まで」の品質保持についての結果です。死後硬直後,硬直が解けて最終的に腐敗に至るまでの過程では,また別の結果となりますので,くれぐれもご注意ください)。